医薬品の安全性・品質の保証の確保には、グローバルレベルでの取り組みが要求されています。それがデータインテグリティであり、「ALCOA原則」や「CCEA」と呼ばれる基準に沿ったシステムです。各企業の取り組みをピックアップしました。
データインテグリティや規制要件への対応、電子化による業務省力化・リソース最適化を目的に電子ラボノートを導入。
機器単独でのDI対応ができるものとできないものがあるため、まずは試験記録の作成部分を電子化。電子ラボノートで監査証跡が残るので、試験記録の改ざんの予防対策になりました。
また、これまでは紙媒体での管理で、書き間違いがないかどうかダブルチェックをおこなっていました。責任者ほどチェック件数が多く時間を取られていたのですが、電子ラボノートの導入では人によるチェックが不要になり、業務が省略化されて優先すべき業務に集中できるようになりました。
完成度の高いデータインテグリティにできていなかったことから、シーメンス製HMIとそのオプションWinCC Auditを採用。クライアントの要望に合わせて機械をカスタマイズしており、スムーズな画面作画や標準機能のアラーム表示、レシピ選択、グラフ表示機能など、使い勝手が向上しました。また、ビデオ表示機能や製造記録の印刷・PDF出力機能は特に利便性が高いです。
YEWMAC(FAコンピューターシステム)、CENTUM(生産制御システム)、CIMVisionPharmsを導入。モノづくりにおける「ツムラ標準」システムを共同でプロジェクトしました。
ノウハウの集積である漢方薬の調合工程をCENTUMが制御し、CIMVisionPharmsで作業を指示。切裁から充てん・包装まで、全工程をCIMVisionPharmsが管理しています。
Part11を適合ベースとした作業標準を確立し、生産管理システムと情報管理システムのサーバーを統合。全工場の生産オペレーションを共通化し、誰でもわかりやすく作業しやすい作業体系を実現しています。
データインテグリティ(DI)の要件は、医薬品の安全性を担保するため製造工程のデータを適切に管理するものです。現状は紙ベースの運用も認められているものの、大変な苦労や管理コストが伴うので、医薬品製造現場における諸問題の本質的な解決のためには、情報が正確に電子化された状態が望ましいと言えるでしょう。当サイトでは、データインテグリティ対応を実現するための適切な手段として、システム導入による電子化・自動化のポイントを特集しています。ぜひご覧ください。