データインテグリティ対応において、押さえておくべき基本と要点を解説します。
医薬品製造に関わる文書や記録の完全性を確保するための仕組みづくりをデータインテグリティ(DI)といいます。このデータインテグリティの要件に、「ALCOA原則」や「CCEA」があります。データインテグリティを確保するための要件「ALCOA原則」①帰属性、②判読性、③同時性、④原本性、⑤正確性について、詳しく解説します。
データインテグリティの
要件である
ALCOA原則やCCEA
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データインテグリティでは、データの発生から廃棄まで一貫した管理が求められます。このデータの発生から廃棄までの過程がデータ・ライフサイクルです。ここでは、データインテグリティを確保するために行うデータ・ライフサイクルの管理について、詳しく解説します。
データインテグリティを確保する
データライフ
サイクルの管理
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医薬品製造の厳重な品質管理の際には大量の文書と記録が発生するため、医薬品製造業者や規制当局に多くの負担がかかります。そこで、リスクマネジメントの考えを取り入れ、余計な電子文書の作成を省くことができるリスクベースドアプローチを採用しています。
ここでは、この医薬品製造に関わる品質管理のリスクベースドアプローチについて詳しく考えていきます。
作業工程を
厳重に管理する
リスクベースド
アプローチ
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悪意ある改ざん以外にも、データインテグリティを脅かす要因はさまざまです。データ保管の手順の理解不足やシステムの問題で、データの正確な保管ができない場合もあります。ここでは、データインテグリティを脅かす要因について考え、その対応について詳しく解説します。
不正や改ざんなどの
データインテグリティを脅かす要因
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生データの改ざんを防ぎ、データインテグリティを企業に浸透させるためには4つの段階があります。①実務者の教育、②リスクの把握、③適切なシステムの構築、④企業統治です。この4つの段階を経てデータインテグリティが企業文化になります。ここでは、データインテグリティの対応について詳しく解説していきます。
データインテグリティを監視するため、FDAやWHOなどの規制当局はガイダンスを発表しています。このデータインテグリティガイダンスについて確認し、その規制要件について詳しく解説します。
データインテグリティの
規制要件である
データインテグリティ
ガイダンス
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FDAのデータインテグリティガイダンスの発表で、製薬会社はデータインテグリティを強化することが必要になりました。FDAの査察は一定の傾向にあり、製薬会社は指摘事項を参考にすることで自社のデータインテグリティを見直すことができます。FDAの指摘事項を具体的に理解し、自社のチェックリストを作成するとよいでしょう。
GMP省令の改正で、データインテグリティに関する要求事項が追加されました。GMP省令に加わったデータインテグリティの要件について考えていきます。データインテグリティの導入で、手順書や記録の管理について何が必要であるかを確認していきましょう。
管理に何が必要かなど
GMP省令改正のポイント
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FDAの査察で、GMP省令に違反するとワーニングレターで指摘されます。近年、このワーニングレターの指摘で、データインテグリティに関することが多くを占めています。ここでは、データインテグリティに関する指導事例を詳しく解説します。
データインテグリティに
おける当局要求・
不適合事例
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データインテグリティを企業文化にするには、従業員への教育が必要です。その教育を行う前にデータインテグリティの概要を正しく理解していることが大切です。ここでは、データインテグリティの用語の定義にいて確認していきましょう。
データインテグリティを
理解するための
用語の定義
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「Part11(パートイレブン)」とは、アメリカのFDA(食品医薬品局)が1997年に発行した、電子記録・電子署名を手書き記録や紙の書類などと同様に扱う上でのルールです。そのため「Part11に適合しているか」という観点は、米国FDAが規定している基準に則ってシステムを構築できているかという風に解釈されます。
GMP(医薬品GMP)とは、医薬品の製造管理や品質管理において守るべき安全基準であり、医薬品製造業界で厚生労働省の承認を受けようとする場合、必ずGMP省令が定める水準をクリアしていなければなりません。
GMPの内容や背景、注意すべきポイントなどを詳しく解説していますので、健全なGMP最適化を実施していきましょう。
万が一データインテグリティに違反してしまった場合、患者に健康被害を与えてしまう可能性があること。これがデータインテグリティが失われたときの一番大きなリスクです。そのほかFDAからWarning Letterが出されたり、EUからNon-Compliance Reportが発行されたり、その結果会社の社会的信用が失墜し、株価やマーケットシェアの下落、最悪の場合会社の存続にも影響が出てしまう可能性があります。
データインテグリティが失われたときの
リスクについて詳しく見る
電子カルテシステムを導入している実施医療機関においては、電子カルテシステムや電子カルテデータの取り扱いについて、データの完全性や正確性、信頼性が適切に担保されているのか考えることが必要です。ここではFDAやEMA、厚生労働省などの各機関における電子カルテシステムや電子カルテデータの取り扱いについてまとめました。
バリデーション(適格性確認)とは、医薬品製造や品質管理において、分析試験に用いられる設備や装置、機器などの機能・性能が適正であることを検証し、結果を文書化する作業です。バリデーションが正しく実行されていなければ、そもそも機器による分析試験の結果を信頼することもできないため、詳細を理解しておきましょう。
監査証跡とはデータインテグリティの確保を目的として、試験の内容について誰が、何を、いつ、どのようにしたのか、といったデータを記録するための作業です。また、監査証跡の内容の信用性や正確性を向上させるために、定期的な監査証跡のレビューも重視されています。ここでは監査証跡のレビューについて歴史も踏まえながら解説します。
プラグ&プロデュースとは製造現場において、様々な情報や作業を管理するマネジメントシステムを上位システムと定義し、各種システムと生産設備をネットワークで連結することによって製造現場全体の一元管理を進めることです。医薬品製造業界においてデータインテグリティを確保する上で適切なプラグ&プロデュースが重要です。
データインテグリティ対応を進めるうえでは、システムを見直すだけでなく、データにアクセスしたりデータを管理したりするユーザー自身についても管理体制を適正化しなければなりません。ここではデータインテグリティ対応におけるユーザー管理のポイントや重要性、具体的な方法などについてまとめて解説していますので参考にしてください。
データインテグリティの確保を叶えるうえで、各種設備や機器の時刻を同期させて、適切な管理体制をマネジメントしていくことが不可欠です。
時刻合わせを適正化するためには最初に対象となる「時計」を抽出したうえで、管理幅・許容幅・誤差を設定したり、時刻合わせを実施する担当者を選定したりといった段階が必要となります。
医薬品製造におけるデータインテグリティを考える上で、誰が、いつ、どのような手順や工程を行ったのかを追うのがトレーサビリティです。医薬品製造の流れを詳細に確保できるように保ちます。トレーサビリティを鑑みて製造管理を行うことで、製品の品質を維持してトラブルにも備えられるでしょう。
データインテグリティにおける「GxP」とは「Good x Practice」の略です。GCPやGLP、GDPといった様々な略語をまとめて意味します。各用語はデータインテグリティを確保する上で不可欠な基準やガイダンス、省令といった内容を指しており、それぞれのテーマに合わせたGxPを把握して管理しておくことが欠かせません。