データインテグリティの実務対応において、よくある質問5項目をまとめてみました。データインテグリティの定義から作成・管理において意識しておきたい事など、基本的な内容となっています。
データインテグリティとは、より正確なデータだけを集めたデータ管理システムのことをいいます。5つの原則を掲げるALCOA原則、もしくは9つの原則を掲げるALCOAプラスをもとに、データの不正利用を防止し、適切なデータ管理システムを構築します。
データインテグリティの正確性を保つためにも、厳しい監視体制下で定められた手順管理と技術管理で行う必要があります。
米国食品医薬局(FDA)では、Q&A形式のガイダンス「Data Integrity and Compliance With CGMP」を出しています。そこではデータインテグリティだけでなく監査証跡についても定義しています。
監査証跡とは電子記録の作成・修正・削除について、その経過を再現することができるもの。コンピューターで生成したタイムスタンプ付き電子記録で、「いつ、誰が、何を、なぜ」がわかります。
データインテグリティを紙ベースで作成・管理する場合には、ガイダンスやALCOA原則を意識しておく必要があります。
恒久的に消えない不滅インクの使用、作成は作業と同時進行でおこなうなど細かく厳しいルールがあるので、事前にしっかりと把握してから作成に取り掛かります。鉛筆や消しゴム、修正液といった禁止されている項目で作成すると査察時に細かく指導が入ってしまいますので要注意です。
データインテグリティを
紙ベースで運用する場合
の注意点を詳しく見る
製造管理と品質管理等を適切に行うためにバリデーションをExcelで行う企業は少なくありません。ただ、Excelでの記録管理には問題点も指摘されており、対策を講じておかないと査察で指導を受けてしまう事にもなりかねません。
また、電子記録と紙媒体による手書き署名の両方をつかうハイブリッド運用では紙媒体の署名を先にしないといけないなど、細かいところまで注意しなければいけません。
Excel・スプレッドシート
でバリデーションを
行うことの問題点に
ついて詳しく見る
電子データはコピーと原本の区別がつきにくくなるため、データインテグリティの観点からも、その原本定義をしっかりとしておく必要があります。また、電子データとはいえ紙媒体と記録の仕方は変わりません。
米国食品医薬局(FDA)のガイドライン「21 CFR Part 11」や厚労省の「ER/ES指針」を意識した作成・管理が必要です。