GxP

GxPとは、医薬品製造の業界において使われる「GCP」や「GDP」、「GMP」といった複数の用語を示す概念であり、データインテグリティを確保するために必要な項目や内容を指しています。このページでは、「GxP」と関連用語について解説します。

GxP

GxPとは「Good x Practice」の略であり、「x」にはそれぞれの内容や目的に応じて個別のアルファベットが当てはめられます。例えば医薬品の臨床試験に関する基準についてであれば「GCP」となり、医薬品の安全試験の実施に関する基準であれば「GLP」となるといった仕組みです。

それぞれのテーマにもとづいたGxPをきちんと確保して体制を構築することが、データインテグリティの確保につながります。

代表的なGxP

GLP(医薬品の安全性試験の実施に関する基準)

GLPは「Good Laboratory Practice」の略称であり、「医薬品の安全性試験の実施に関する基準」を指しています。

GLPについては厚生労働省が省令として、動物試験などの非臨床試験に関する遵守事項を定めており、医薬品の安全性試験を実施する際には必ずGLPに準拠していなければなりません。

また試験をアウトソーシングする際は、委託先がきちんとGLP準拠の試験を実施しているか確認する必要もあります。

GCP(医薬品の臨床試験に関する基準)

GCPは「Good Clinical Practice」の略称であり、「医薬品の臨床試験に関する基準」を示す用語です。医薬品製造において、製薬会社や製造者は治験担当医師の合意を得た上で「治験実施計画書」を厚生労働省へ提出しなければなりません。その際にGCPを適正に担保されていることが求められます。

GCPは治験審査委員会が治験に参加する人々の健康や安全を確保しながら、医薬品の品質や安全性を試験するために重要です。治験中に副作用が発生した場合は速やかに国へ報告することが義務付けられています。

GMP(医薬品の製造管理及び品質管理の基準)

GMPは「Good Manufacturing Practice」の略称であり、「医薬品の製造管理及び品質管理の基準」を示す用語です。

医薬品は製造工程についても品質管理や工程管理の条件が厳しく定められています。GMPに則って管理業務を遂行することでヒューマンエラーのリスクを低下。医薬品の品質低下や汚染といったトラブルの発生予防につながります。

またマネジメントシステムを構築する際も、必ずGMPを前提とした体制の整備を考えなければなりません。

GDP(医薬品の適正流通)

GDPは「Good Distribution Practice」の略です。GDPは日本国内の医薬品業界における「医薬品の輸送・流通」に関して定めたガイドラインです。医薬品の適正な流通や市場への供給を考える上でGDPを適切に守る体制が必要になります。

現代は医薬品の流通も多様化しており、メーカーや卸業者から直接に医療機関へ販売・運搬されることもあれば、ドラッグストアなどの小売店へ出荷。オンラインで顧客へ販売されたりと様々なケースが想定されます。GDPの遵守は医薬品の安全性を保ちつつ、偽造品を排除するためにも不可欠です。

GVP(製造販売後安全管理の基準)

GVPは「Good Vigilance Practice」の略であり、「医薬品の製造販売後安全管理」に関して定めた基準です。

製造販売後安全管理とは、医薬品メーカーや医療機器メーカーなどの製造販売業者守るべき基準です。製品の品質や安全性、有効性などに関して必要な情報を収集・整理。またその内容に応じて必要な措置を行うことを指します。

単に医薬品を製造して終わりでなく、GVPにもとづいて改めて情報を精査。必要な管理を実施することが製造販売業者に求められています。

「なぜ、データインテグリティ対応が難しいのか?有効な現実解とは」を⾒る 「なぜ、データインテグリティ対応が難しいのか?有効な現実解とは」を⾒る