GMP省令改正のポイント

2021年にGMP省令が改正され、データインテグリティに関する要求が盛り込まれました。GMPとは適正製造規範のことで、医薬品製造業者は製造工程における手順書をデータインテグリティに対応させることが必要になります。

GMP省令が要求する
データインテグリティ

「医薬品製造業者は、医薬品標準書及び手順書並びにその記録について、信頼性を継続的に確保することが必要である」とGMP省令は要求しています。そのため、手順書や記録の管理には次のようなことが必要です。

欠落がないこと

手順書等と記録の整備に完全性があることが要求されています。

内容の正確性

手順書等と記録が正確であることが要求されています。記録に証拠としての意味を持たせるためです。

内容に整合性があること

内容に一貫性が必要です。オリジナル記録とその派生で整合性があることが必要です。

是正措置及び予防措置

逸脱を予防することと逸脱があった場合の是正措置を要求しています。

信頼性の確保

手順書等と記録は証拠として保管することが必要なため、信頼性を確保することが重要です。

改正GMP省令とデータインテグリティ責任者

GMP等のマネジメントは、必ずその業務の管理者や責任者を定め、チェック体制を強化する仕組みになっています。GMP省令は、「文書と記録の管理者」と別に「データインテグリティ責任者」の指定が要求されています。医薬品製造のなかで、データインテグリティがそれだけ重要視されているということです。

データインテグリティ責任者は医薬品製造の手順書や記録について熟知し、その信頼性の確保について熟知していることが必要とされています。すなわち、医薬品製造工程を理解し、マネジメントに基づく文書と記録の管理に精通していることが必要です。

医薬品製造業者の手順書等と記録で内部監査を行うようなイメージをもつと分かりやすいでしょう。こうした文書と記録に対してチェック体制を整えることで、データインテグリティは確立します。

まとめ

データインテグリティの確立のため、GMP省令は「文書と記録の管理者」と分けて「データインテグリティ責任者」を置くことを要求しています。規制当局がデータインテグリティを重視していることがここから分かります。

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医薬品製造現場における
データインテグリティ
対応のポイント

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