医薬品の品質保証をするため、コンピュータ化システムバリデーションの実施をCSVガイドラインは要求しています。
コンピュータ化システムバリデーション(CSV)ガイドラインの適用対象は、分析データ解析のためのパソコン、マイクロコンピュータを内蔵した分析装置だけでなく、運用する組織や設備も含みます。ここでは、CSVガイドラインについて考えていきます。
日本のCSVガイドラインは、世界基準であるGAMPのCSVガイドラインと整合性があります。CSVガイドラインはあくまでもガイドラインであるため、法的な拘束力はありません。
CSVガイドラインは多くの法令が関係するため、理解することは大変です。GAMPは、コンピュータシステムのライフサイクル管理をすすめています。システムの開発、導入、廃棄までの検証と文書化を実施します。このCSVの目的は医薬品の品質保証であるため、システムの導入・運用を検証しながらシステムの完全性を仕上げていきます。
CSVガイドラインを運用するとき、ドキュメント(成果物)が多く必要になります。CSVガイドラインの実施状況を定期的に確認・記録することが必要だからです。製薬会社とシステム構築会社との間でこのドキュメントのイメージが同じであることを確認することが大切です。
システムが意図に適うことを保証するためには、バリデーション計画をたて検証業務を適切に行うことが重要です。そして、バリデーション計画とシステムの間にズレがあれば、そのズレがなくなるようにシステムや手順書を変更していくことが必要です。
バリデーションは、リスクベースアプローチで考えることが大切です。人体への安全性・製品の品質・データの完全性を考慮し、高いリスクがある箇所のバリデーションを手厚くすることが重要です。リスクベースアプローチをすることで、リスクが低い工程のバリデーションの作業を省くことが可能になります。
CSVガイドラインの目的は医薬品の品質を保証することです。そのため人体への安全性、製品の品質、データの完全性に関係する作業工程のバリデーションは十分に行うことが必要です。
CSVガイドラインの導入・運用を行うときは、システムの開発から廃棄まで検証と文書化を実施します。システムに問題があるときは、システムの変更を重ねて、CSVガイドラインが要求する事項に適合させていきます。
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