FDA、WHO等は、データインテグリティに関する規制要件を発表しています。データインテグリティは、データ保管の完全性、正確性、一貫性、安全性を要求するものです。データインテグリティのガイダンスは、4つの要件を補完するものとして発表されており、規制当局の査察時に重要な役割を果たします。ここでは、データインテグリティガイダンスについて詳しく説明しています。
FDA、WHO等の規制当局は、データインテグリティが守られているかどうかを査察で監査しています。その査察のとき、データインテグリティの4つの要素が守られていることを具体的にするためのガイダンスを発表しています。そのため、企業も具体的なデータ保管について理解ができ、査察の監査項目も具体的であるため査察の労力を省くことも可能です。
FDAは、2016年と2018年に企業向けのデータインテグリティのガイダンスを発表しました。データインテグリティの4つの要件はすでに発表されているため、補完を目的としています。FDAの査察でもデータインテグリティは重視され、ガイダンスの発表でより注意を払うことが重要になりました。
MHRA(英国医薬品・医療製品規制庁)は、2015年にデータインテグリティのガイダンスを発表しました。2018年には、GMPのみであった対象を、GLP、GCP、GDP、GVP等に拡大しました。基本的な要件は変わらず、データインテグリティの4つの要件を満たすための具体的な指針が記されています。
WHOは、2015年にデータインテグリティのガイダンスを発表しています。GLP、GCP、GMPに関するデータインテグリティの問題が頻繁に発生することから加盟国に意見を募集したものです。MHRAガイダンスが参照したFDAのGCPにおける「ALCOA」について言及しています。なお、WHOのガイダンスは、FDAやMHRAのガイダンスと整合性が取れています。
FDAやWHO等の規制当局は、データインテグリティの4つの要件をより具体化するためにガイダンスを発表しています。このガイダンスを参照することで、企業のデータインテグリティは強固なものとなります。規制当局の査察もガイダンスを参考にするため、査察時の監査の効率化が可能になります。製薬会社は、関連する規制当局のガイダンスを参考にして、自社のデータインテグリティを強化していくとよいでしょう。
当サイトでは、データインテグリティ対応を実現するための適切な手段として、システム導入による電子化・自動化のポイントを特集しています。ぜひご覧ください。